台湾の身体に優しい可愛らしい爆撃機
「台南22号」。
鉄人28号のような強そうなイメージの名前だが、台湾のとうもろこしの品種のことだ。
1990年に商用生産された、このとうもろこしは、現地の農家さんのご尽力によって数十年の歳月を費やして、ようやく完成されたものだ。
台湾のとうもろこし事情としては、日本と違い春と秋の二回が収穫の時期である。
特徴は、粒が大きく、噛んだときの歯応えの弾力があり、焼いたときの香りがとっても良いことである。
その特徴ゆえに、台湾のレストランからの指名も数多く、常に品薄状態という、幻のとうもろこしなのである。
台湾にとうもろこしの歴史は200年と、日本の500年に比べると比較的短い。
清朝時代に漢民族が、台湾に来る前からポルトガル人によって持ち込まれたと言われている。
日本と同じく、国内需要の99パーセントを南米諸国からの輸入に頼っており、国内で生産している量は、ほんの「4万トン」にすぎない。
あまり、広く知られてはいないが、台湾の農家さんは、とても誠実で、プライドが高い。
地元の伝統的な市場にいくと、そんな情熱の塊りの農家さんが、手塩にかけて有機栽培農法で育てた農産物がたくさん売られている。
台北市内に旅行でこられたら、是非、朝市をぶらぶら散策してみてほしい。
私のおすすめは、雙連捷運站にある朝市だ。
さて、とうもろこしだが、栄養価が非常に高いことはよく知られるとこだが、あの清の王朝の西太后も1日一杯の「とうもろこし粥」を食べていたことで有名だ。
効用としては、1.胃腸の粘膜を守ることで、体内に入った毒素が胃腸の壁を攻撃することでのダメージを減らす、2.動脈硬化を和らげることによる血管にまつわる疾病の予防になる、3.脳細胞の代謝を助けることで脳を健康に保つ、4.利尿を促し毒素の排出を促す、ことが知られている。
また、とうもろこしの果実以外にも、効果があるのだ。
とうもろこしの葉には、癌の予防効果があり、とうもろこしの芯には、むくみ、浮腫に効果があり、とうもろこしの根には、膀胱に炎症があって、排尿痛や残尿感、頻 尿などのある疾患に効果がある、とのことだ。
鉄人28号の名前は、アメリカの爆撃機B29から由来するものだが、「台湾の台南22号」はそれをはるかにしのぐほどの効用をもたらしてくれるスイーツなのだ。
台湾にお越しのさいは、少しだけ早起きして近場の朝市に出向いて、日本では見かけることはない食材を見に行ってみてはどうか?