タピオカミルクティーの歴史
「タピる」。
“タピオカドリンクを飲む”ことの略称として、JC,JKなど若者を中心に大ブームとなっているが、本日はタピオカの歴史を振り返ってみたい。
珍珠
タピオカは中国語で「珍珠」(ジェンジュ)といい、日本語で真珠のいみである。
黒色のタピオカであれば、さしずめ「黒真珠」といったところであろう。
デンプンを使って5センチから10センチくらいのボール状に仕上げたもので、ときにはサツマイモや、馬鈴薯などを粉末状にして使用することもある。
台湾の紅茶の歴史
日本統治時代の1906年から、欧米に向けた輸出商品として、当時の台湾の台湾総督府が、お茶の生産から、紅茶の生産へとシフトさせた経緯がある。
このタピオカミルクティーのミルクティーである「泡沬紅茶」であるが、発祥までの歴史は諸説あり面白い。
「泡沬」とは泡立てることだ。紅茶をシェークして泡立たせるということで、日本で言うと抹茶を、’茶せん’でで泡立てるイメージに近いと思う。
もともとの泡沬紅茶には、タピオカは入ってなく、単なる紅茶だったわけだ。
この紅茶をシェイクして泡沬紅茶として出した元祖と言われている店を紹介する。
台南にある老舗「雙全紅茶」
70年の歴史を持つ、台南の老舗紅茶屋だ。ここの店主が、カクテル用のシェイカーで紅茶を泡立たせることで、口当たりをまろやかにしたところ、そのおいしさに評判が広まったとのことだ。
台中発祥の老舗「春水堂」
こちらの店は、観光ガイドや、台湾の紹介番組などで報道されているし、日本にも支店がかなりできているので、ご存じの方はおおいであろう。
面白いエピソードがこの春水堂にあったのでご紹介する。
中国のことわざで、役に立たない三要素ということわざがある。
「冷茶、薄酒、 老女人」
中華圏では日本と違い、冷たいお茶は味も素っ気もないとされている。
薄酒も、せっかくの酒も薄いと酔えない。
年寄りの女性に誰も興味はない、という意味である。
さて、春水堂はこの禁断の「冷たいお茶」に挑んだのだ。
0度に限りなく近い紅茶をシェイカーで泡だてる「泡沬紅茶」は、予想に反して台中の春水堂を起点として大ブレイクし、台湾各地て見かける、お茶のテイクアウトの店舗の発展につながるわけだ。
ちなみにこのシェイカーで泡立てる方法は、日本のシェイクがヒントになっているという。
私も春水堂のオリジナル「泡沬紅茶」は大ファンである。茶葉をふんだんに使ってあるので、紅茶の味が非常に濃厚である。
また、シェイクすることで、紅茶のエグミがなく、非常にまろやかな味が特徴的である。
まとめ
「タピオカミルクティー」はタピオカがミルクティーに入っているだけの飲み物ではないことが分かっていただけただろうか?
台湾紅茶と日本との関係や、シェイクからの着想など、タピオカミルクティーが誕生した裏には、日本が密接に関係していると言える。
子供さんと「タピる」ときにでも、すこしでも思い出してみてもらえればと思う。